【ネタバレ】『CALLS コール』解説

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こんにちは。当ブログの2人の運営者のうちPOOLくんじゃないほう、ホラーホストのSEBAです。

今回はホラーホストとしてのYouTube動画で解説した作品をブログで解説したいと思います。動画で観たい方は記事最下部に貼ってある動画をご覧ください! というわけで、今回は『CALLS コール』を解説します。

【注意】この記事はネタバレを含みます。

『CALLS コール』解説

『CALLS コール』は2021年AppleTV+配信公開のアメリカドラマ。監督はフェデ・アルバレスさん。

あらすじ

異なる年代、場所、人々が、様々な目的で電話を掛ける。
しかし、電話が繋がった先は別の宇宙、別の時間軸の世界であった…。

なんか、あらすじが短くないですか? ザックリしすぎというか…

あ、ドラマだから一話完結なのかな?

基本的には一話完結です。

が…実は、回を重ねるごとにそれぞれのエピソードが繋がっていく構造のドラマなんです。

というわけで、 今回は完全ネタバレ仕様で各エピソードの顛末を解説したいと思います。

ここからネタバレ注意です!

全体の解説

本シリーズは、音声のみ、それも電話による通話のみで展開されるラジオドラマのような作品で、概要としてはアメリカ各地の電話が過去や未来に繋がってしまったことによる混乱を描く物語となっています。

しかし、映像的にも非常に面白い試みがなされており、音声を現す波形のような映像が流れているかと思いきや、

波形がなんとなく物語の舞台を現すような形状に変化したり、

キャラクターの混乱や不安感が波形の乱れに現れたりと、

映像としても充分飽きずに楽しめる作品になっています。

ep1: 終わり

登場人物全員の時空がメチャクチャに!
主人公・ティムは、妻・サラに電話する。
ティムは、新たな恋人・カミラと人生を歩むことを決意し、妻に別れの電話をしようとしていた。

まさか単身赴任が半年にもなるなんて、参っちゃうよ。
それでさ、サラ。
その、今日電話したのは…

ちょっと待って、ティム。裏庭に誰かいるみたい

なんだって?

その後、サラが何者かに惨殺されカミラが謎の死を遂げティムの部屋に別のカミラが現れ電話口には別の瀕死のサラが現れるというメチャクチャな展開になります。

 

最後はティムと瀕死のサラが電話しつつ終わりますが、会話の内容から世界が終わりを迎える様子が描かれます。

体が浮いてる。信じられない。何もかも浮かんでるぞ。

なんてことだ…

空を見て。空が…空が開いてるみたい…

なんてこと…

この時点では全く訳のわからない話ですが、真相はドラマの最終話で明らかになります。

 

また、この「人間の体が宙に浮き、空に吸い込まれる」という表現ですが、これはラプチャーといって、キリスト教福音派がいうところの「いつかハルマゲドンが起きて地上世界はメチャクチャに破壊されるけど、俺たち敬虔なクリスチャンだけは天国に瞬間移動できて、イエス様のいる世界でセックスとかコカインとかゲームとかし放題だぜイエーイ!」という現象です。

 

普通、突然自分の体が宙に浮いたら死ぬほど恐いと思うんですが、作中の主人公達が「ホゥ…空が輝いてる…美しい…」となぜか恍惚としているのは、それがラプチャーをSF的に解釈した場面だからなんですね~。

 

ちなみに、サラを演じるのはMARVELのネビュラ役でおなじみ、カレン・ギランです。

ep2: 始まり

主人公が砂漠でタイムトラベルする話…なのか?
主人公・マークは、妻・ローズの予期せぬ妊娠に動揺し、車で出て行ってしまう。
30分後、郊外の砂漠を走っていると、心配した妻から電話が掛かってきたが、
会話中、電波が乱れて通話が切れてしまう。
マークがもういちど電話を掛けると、電話は3日後の妻に繋がった…。

ローズ、今日は日曜だ。家を出たのは30分前だろ?

今日は水曜日よ!どうしちゃったの?

あなたが家を出てから3日も連絡がつかなかったわ。

私を怖がらせようとするのはやめてよ!

今の僕が自分勝手だって思うのはわかるけど、

そんなデタラメを言うのはやめてくれ…

こちらは主人公が砂漠を走ってるうちにタイムトラベルしてしまい、電話が繋がるたびに「3日後」「3ヶ月後」「数年後」など、主人公以外の時間が加速してしまうという物語となっています。

 

…が、ドラマを終盤まで観ていくとわかるのですが、これはマークがタイムトラベルしている訳ではなく単に未来に電話が繋がってるだけだと思われます。

 

本エピソードの最後、マークは自宅に帰り、妻の名前を呼んだところで終幕となりますが、この後、マークは無事妻と再会し、仲直りできたというわけです。

 

しかし、その後マークは惨死したでしょう。なぜ惨死したのか…についてはドラマの終盤で明らかになります。

 

ちなみに、マーク役を演じているのはアーロン・テイラー・ジョンソンです。

 

ep3: 向かいのペドロ

妻と向かいのペドロ、どちらかが嘘をついている。
主人公・パトリックは一人で家にいて、妻・アレクシスは銀行で勤務中だった。
パトリックが電話にでると、向かいに住む(あまり親しくはない)ペドロだった。
ペドロは

いま空港にいるんだが、俺の家に大切なバッグを忘れてきてしまったんだ。
ちょっと俺の家に入ってバッグを預かってくれないか?

と主人公に依頼する。
不審に思いつつ、主人公は向かいのペドロの家に入り、バッグを持って帰宅する。

バッグを預かってくれたのか? ありがとう。
いま帰るから待っててくれ。

本シリーズ屈指の難解なエピソードですが、妻の言っていることが全てウソである点に注意すれば理解が深まります。本エピソードの時系列としては次のとおりです。

① 妻と「オリジナルのペドロ(ペドロA)」が不倫関係になる。

ペドロAが妻から銀行の情報を入手、銀行から現金700万ドルを盗み出す。

ペドロAが街を出ると妻に伝える。妻は激怒する。

④ 妻がペドロの家に現金を置き、匿名で警察に通報し、そのことをペドロに電話する。

ペドロAが逮捕され、投獄される。

ペドロAが「④時点の過去のペドロ(ペドロB)」に顛末を話す。

ペドロBが主人公に電話、現金を預かるよう依頼する。※ここから本エピソードのオープニング

⑧ 主人公が現金を預かり、妻に連絡。妻はしらばっくれる。

⑨ 主人公が現金をペドロの家に返しにいき、妻のイヤリングを発見。

⑩ 主人公が現金を持ち逃げする。つまり、ペドロBは助かったが現金を失った。

ちなみに、ペドロを演じるのは同名のペドロ・パスカルです。マンダロリアンの人ですね。

ep4: 全部 あなたの妄想

妹の苦しみは妄想か?
主人公・キャサリンは夫から離婚を切り出されていた。そんななか、妹・レイラから電話が入る。

もしもし、姉さん? 私、すごく苦しいの。
手が伸びて、すごく痛い。さっき吐いたら吐しゃ物のなかに爪があったの。誰の爪かわからないけど、人間の爪だった。
顔が溶けて、鼻も目も無くなったみたい。
本当に訳がわからないの。お願いだから助けて…!

レイラ…。お願いだから落ち着いて。
あなたは心気症なの。全部あなたの妄想なのよ。

本シリーズ唯一、作中でタイムトラベルが起きないエピソードです。

レイラは長年精神を病んでおり、また主人公の夫・クレイグと不倫関係にありました。離婚はそのことと関係しているようです。

クレイグが主人公に離婚を切り出すと、レイラは腕が伸び、顔が溶け、惨死してしまいます。

なぜ死んだのかは後のエピソードで明らかになりますが、先に説明すると、本シリーズの設定上、未来に起こる予定の出来事を変えてしまうと、「宇宙」が世界の辻褄を合わせるために、その人を惨死させるという設定になっています。

恐らくレイラはクレイグに離婚してほしかったのでしょう。何らかの形で未来の自分と繋がり、クレイグが離婚するよう仕組むことに成功したと思われます。

ちなみに、ep2の砂漠でドライブしていたマークは、妻と離婚する予定だったのが、未来の妻と電話したことで離婚を逃れたため、エピソード後に惨死したと思われます。

なお、本エピソードで主人公を演じるのはロザリオ・ドーソンです。

ep5: 俺と自分とダーリン

ショットガンを持った”自分”から妻を逃がせ!
主人公・フロイドは恋人から別れ話を切り出され、逆上して恋人宅を訪れる。
扉を開けようとしない恋人に腹を立てたフロイドは、扉をショットガンで撃ち抜く。
すると、扉の向こう側には頭が粉々になった恋人が倒れていた…。

911です。どうされましたか?

いま、恋人をショットガンで撃ったんだ。
脅そうとしただけ、殺すつもりなんてなかったんだ…。
まさか、扉の向こうに立ってるなんて、思わなかったんだ…。

わかりました。フロイドさん、どうか落ち着いて。
銃を床に置いて、動かずに待っていてください。
すぐに警察が向かいます。

待ってくれ。いま着信が……どういうことだ?

いま撃った恋人から着信だ! いったい何が起きているんだ?
死体はここにあるのに…誰が電話を掛けてきているんだ!?

恋人を撃ち殺してしまったところ、過去の(撃ち殺す前の)恋人から電話が掛かってくる男の話です。

男が過去の恋人を自分から逃がすシーンは、緊迫感があってなかなか聞き応えのあるアクションシーンになっています。

ただ、最終的になぜ主人公が警察から銃殺されてしまったのか…よくわからないです。危険人物に見えたのかな?

ちなみに、主人公を演じているのは『リチャード・ジュエル』のポール・ウォルター・ハウザーです。

ep6: 宇宙の仕業

デイジーを殺したのは自分? それとも宇宙?
主人公・サムは、恋人のデイジーの殺害容疑を掛けられていた。
デイジーはサムとセックスした直後、密室で惨死したのだ。
サムの父親であり保安官でもあるフランクがサムに電話すると、サムは容疑を否定し「俺じゃない。宇宙がやったんだ」と繰り返した…。

父さん、信じてほしい。本当に俺じゃないんだ。

目が覚めたら、ひとりでに彼女が崩れていって、死にかけてたんだ。
まるで…なにかに食べられてるみたいに…。

サム、なんと言ったらいいか…。
お前が牢屋に入るなんて、父親として耐えられないんだ。

しかし、お前は逮捕された時「宇宙がやった」と証言していたそうだな。

あれは一体どういう意味なんだ? なにか俺が理解できない意味があるのか?

ということで、主人公の恋人が宇宙に殺されるエピソードです。

恋人は敬虔なクリスチャンでしたが、「自分が死ぬというお告げ」を聞き、「生真面目な生活から身を引き、音楽やドラッグや恋を楽しみなさい」というお告げに従うことで死の運命から逃れたと思われます。

ただ、先に解説したとおり、本シリーズでは未来の出来事を変えると宇宙から辻褄合わせのために惨死させられるため、運悪くサムと二人きりのタイミングで死んでしまった、というわけですね。

最終的にサムは宇宙の仕業であることを受け入れてえん罪ながら自首するため、惨死の運命からは逃れられたでしょう。

ちなみに、父親を演じるのは名優ダニー・ヒューストンです。

ep7: ママ

時空の裂け目を探しだし、母親を死の運命から救い出せ!
主人公・スカイラーは、弟のジャスティンと電話しながら砂漠を訪れていた。
その砂漠は、かつて男が「未来との通話」を実現させた場所。ep2でマークが迷い込んだ砂漠だった。
ネットの噂を頼りに砂漠を訪れたスカイラーは、過去の母親と電話を繋ぐことに成功する。
スカイラーは母親は伝えなければならなかった。「あなたが交通事故で死ぬ」ということを。

2015年2月12日の夜、私はママに「迎えに来て」って電話する。
でも絶対に来ちゃダメなの!
ママはその時に交通事故で…

本エピソードは、シリーズ初のエピソードをまたいだ続編的なお話。

第2話で未来の妻と電話が繋がってしまった話がネットで話題になっており、それを利用して死んでしまった過去の母親を救おうとする女性が主人公です。

第5話のように交通事故に遭わないようママを電話で誘導する…かと思いきや、過去の弟と電話が繋がり、ママが運命を変えたことで宇宙から惨死させられようとしていることが判明します。

ところが、スカイラーは「ママが弟を襲おうとしている」と勘違いしてしまったため、弟を家から出てバスに乗るよう指示します。

すると弟も「運命を変えた」ことになってしまい、結局弟も惨死してしまいます。

シリーズ中ナンバーワンのムナクソエピソードです…!

ちなみに、弟のジャスティンを演じるのはリメイク版『IT』のジェイデン・マーテルです。

ep8: 機内に科学者はいるか?

350人が搭乗する飛行機を墜落させなければ、宇宙は消滅する!?
主人公・ペリーは、機長として大型航空機を操縦していた。
フライト中、客室乗務員から連絡を受ける。
乗客が「この飛行機が墜落したとニュースで報道されている」と騒いでいるというのだ。
管制塔に連絡すると、驚くべき事実が明らかになる…。

君の操縦する旅客機が墜落したと連絡を受けた。
君の遺体も回収されたんだ。5時間前のことだ。

 

あなたが未来にいて、この飛行機が過去にいるというのか…?

いよいよクライマックスです。この話、よく考えると非常に複雑な脚本です…。

舞台設定としては、世界各地でタイムトラベル電話が繋がりまくり、さすがに政府も異常事態に気が付いて、科学者が原因を解明したことになっています。

一見すると飛行機がタイムトラベルしたように思えますが、厳密には機内で未来のニュース映像が流れており、機長の電話が全て未来に繋がっているという状況で、飛行機自体はタイムトラベルしていないようです。

で、科学者・ウィーティング博士から「あなたの飛行機は墜落することになっているから、もし墜落しなかったら乗客350人の運命が同時に変わることになる。そんな大勢の運命が同時に変わったら、宇宙が消滅してしまう」というトンデモ学説が飛び出して、機長は「そんなの信じられるか!」と、視聴者全員の気持ちを代弁してくれます

個人的には、シリーズ中で一番出来の悪いエピソードのような気がします…。

ラストは機長が宇宙が消滅しないことを信じて(当たり前)、飛行機

を墜落させずに終わります。

ちなみに、管制塔で機長に指示を送るウィルソン大将を演じるのは『ショーシャンクの空に』で悪徳刑務官を演じたクランシー・ブラウンです。

ep9: うるう年の娘

宇宙の消滅を防ぐ唯一の方法は、老人ホームの父との仲直り!
前回、飛行機を墜落させなかったことで350人の運命がねじ曲げられた。
主人公・レイチェル博士は、父・ロバート博士が過去にタイムマシンを開発しようとしていたことを思い返す。
「あの開発が時空の乱れの原因なのでは?」と感づき、電話で父を探す。
父は老人ホームで死亡していたが、死亡前の老人ホームに電話は繋がった…。

あなたの発明は成功したのよ。過去から現在に影響を及ぼしてるわ。

なんてことだ。
…1978年にマシンを開発したとき、特別に電話線を引いたんだ。まだ番号は覚えてる。
当時の私は失敗したと思い込み、うなだれて電話が鳴るのを待っていたんだ…。

というわけで、最終話です。

今回はタイムマシンの開発者が登場し、全ての謎が明らかになります。

ちなみに、ロバート博士を演じるのは『ドント・ブリーズ』でフェデ監督とタッグを組んだ筋肉おじいちゃん、スティーブン・ラングです。

全ての真相は…

ロバート博士が1978年に思うままの時間に電話を掛けられるタイムマシン電話を開発したが、失敗していました。

しかし、その開発を引き継いだ政府の科学者が2020年にマシンを完成させたことで、時空の乱れが発生しました。

結果として世界各地の電話が異なる時間軸に掛かってしまう事件が多発、「宇宙」は辻褄を合わせるため、未来をねじ曲げた人間を次々と虐殺します。

そんななか、ペリー機長が墜落するはずの飛行機を無事着陸させ350人の運命を同時にねじ曲げてしまったことで、「宇宙」は辻褄を合わせることができなくなり全ての時間軸が消滅の危機に瀕していた、というわけです。

そこで、ロバート博士はマシン開発当時の自分に繋がる電話番号に連絡、マシンの電源を切って開発をやめるよう説得します。

しかしギリギリで間に合わず、電話の向こう側、つまり1978年でも宇宙が消滅しようとしていて…

…で、結局どうなったかというと、宇宙は消滅せず、タイムマシンが開発される前の世界にリセットされました

めでたしめでたし……って、なにそれ???

つまり、誰も何もしなくてもどこかのタイミングで「つじつま合わせの許容範囲」を超えたら宇宙の自浄機能でタイムマシン開発前までリセットされたはずってこと?

まとめ

以上、『CALLS コール』の解説でした。

個人的には「概ね最高! でも最終話は適当すぎ!」という微妙な感想でしたが、結末以外の部分は本当に魅力的で、「音声のみなのに映像作品」という珍しいジャンルに新たな地平を切り開いた佳作だと思います。

音声のみとはいえ割とエグい描写が多いので、ホラー好きにオススメです!

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