【ネタバレ】『クネクネ』解説

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こんにちは。当ブログの2人の運営者のうちPOOLくんじゃないほう、ホラーホストのSEBAです。

今回はホラーホストとしてのYouTube動画で解説した作品をブログで解説したいと思います。

動画で観たい方は記事最下部に貼ってある動画をご覧ください!

というわけで、今回は『クネクネ』を解説します。

【注意】この記事はネタバレを含みます。

『クネクネ』解説

『クネクネ』は2020年の日本映画。監督・脚本・編集は吉川久岳さん。

あらすじ

千里と母・良子、母の再婚相手・浩平、その娘・遥の4人は、キャンプに向かう途中の山で道に迷ってしまう。

浩平は通りすがりの村人に道を尋ねるが、「帰ったほうがいい」と答えるのみだった…。

クネクネって、あの都市伝説のクネクネですよね。

見たら発狂する、みたいな話だったと思いますが…

はい、そうですね。

でも、この映画にクネクネは出ません。

え………

というわけで、いきなり不穏な出だしとなった今作…解説してまいります!

とにかく悪評が目立つ

今作はあまりにも小規模な作品かつ評価の低い作品であるせいか、ネット上に全く情報がありません。

劇場公開作品なのかビデオスルーなのかもわからないのですが、まあ、恐らく劇場公開はされていないでしょう…。

一番の原因は、冒頭で説明した「クネクネが出ない」という一点に尽きると思います。

くねくねとは…
2003年頃からインターネット上で流布している怪談。田や川向こうなどに見える白または黒のくねくね動く存在であり、その正体を知ると精神に異常をきたすとされている。
起源があいまいであることが多いインターネット上の伝承としては珍しく、最初の発信源が特定されている。
このような「見たら死ぬ」系の都市伝説は映画化されることが非常に多い題材です。
見たら死ぬものをノーリスクで見てみたい」と思うのは当然です。そのため、「出てこなかった」となると怒るのも当然です。結果として観客に対してネットに悪評を書き込むだけの負のパワーを与えてしまい、悪評が目立っているものと思われます。

良いところも…あるにはある

『くねくね』は、全体的なクオリティは非常に低い作品です。

 

そのため、人に勧める時には「Amazon Primeのウォッチパーティーとか、誰かと一緒にツッコミながら観るといいよ」という勧め方になってしまいます。

 

しかし、よく見るときちんとしたところもたくさんあるのが本作です。

褒めポイント① とにかく短い

上映時間はなんと50分。場合によってはショートフィルムと捉えられかねない驚きの短さです。

昨今の「低俗なジャンル映画ではあるけど、上質な作品として評価もされたい」という思惑の見え隠れする長ったらしいB級映画と比べれば、短くまとまっているという点は単純に評価できます。

これで鑑賞前に観客が抱いた欲求を最低限満たしてくれる内容であれば最高だったのですが…。

褒めポイント② 俳優がマル

まず主演のしほの涼さんと所里沙子さんが大変可愛らしく、画面の華やかさを保っている点は意外と重要なポイントです。しほの涼さんはNiziUのRIOに似てるな…なんて思いました。

 

また、詳しくは後述しますが、本作は展開やセリフがいちいちひどいので、「これに耐えて演じきったのだなぁ…」などと同情しながら観ていました。

 

…………褒めポイント、以上です…。

ヤバいところを挙げるとキリがない

クネクネが出てこない

再三述べていますが、最大の問題はこれです。

本作における「見ると死ぬ存在」は全くクネクネしない、ただの突っ立っている女の子の亡霊です。

ではなにがクネクネなのかというと、その女の子を見た者はクネクネと体をよじらせながら死ぬためという設定が作中で語られます。つまり、クネクネするのは死ぬ側なのです。

例えば、これが前述の都市伝説に引っかけて「人間とは思えない動きでクネクネする」なら、まだ映像的に満足できます。

しかし、それを見た者が死ぬ際は文字どおり体をよじらせるだけで、「死霊のはらわた2」における自分の右手に襲われるシーン並のモノドラマとなっています。

『死霊のはらわた2』。こっちは最高。

あと、なんで死ぬかも説明がないですね。体をよじらせる際に「コキッ」と音がするのですが、首が折れて死んでるのかな?

説明されない設定

亡霊の正体は「予知能力の使用を拒んだせいで村人達から拷問され自殺した女の子の怨霊」という中学生が読む怪談アプリみたいな話ですが、まあ納得できなくはないです。

亡霊を見ると発狂する件については理由が説明されませんが、この点は題材となった都市伝説どおりであるためノイズにはなりません。なんとか飲み込めます。

しかし、

発狂して死んだ者がゾンビとなって復活する

・住人達が亡霊の存在を知りつつ自分の目をくり抜いてまで村に住み続けている

村人たちが盲目のまま何の介助も無く自立した生活を送れている

などの設定は全く説明がないうえに都市伝説としてのクネクネと何の関係もないため、全く飲み込めません。

「クネクネ」を信じてしまう小学生くらいなら恐がってくれるかな…くらいの気持ちで作ったのでしょうか?

 

不自然な台詞

冒頭、車中のシーン。遙の「ありがとうございます」に対し、千里の母
「ございますとか言わなくていいわよ
邦画で「いいわよ」って、80年代じゃないんだから…。恐らく監督は普段映画とか一切観ないんでしょうね。
こういった言葉の性差のみならず、本作はとにかく不自然な台詞が頻繁に登場します。
あらすじに紹介した『迷ったので村人に道を聞くと「帰れ」とだけ言われて困惑する場面』では、父親が村人のことを
耳でも遠いのかな?
と言い放ちます。
…「耳でも」って、なに?? 「耳が遠い」は慣用表現ですから、「耳」意外に遠くなるものはありません
恐らく監督は本も何も読まないし人の話も普段から聞いてないんでしょうね。
…あと、登場人物がみんなクリント・イーストウッド監督の映画並にめちゃくちゃ独り言をいう点も気になりました。
「立ち去れ」も「だれ?」も気になったな…。ほんと、挙げだすとキリがないです…。

小道具の違和感

本作は、「舞台となる村の看板」や「怪しい人物が身にまとうローブ」など、小道具がいちいちメチャクチャきれいな点も気になります。

普通はエイジングといって、汚したり傷つけたりして年季が入っているよう加工します。

美術班の仕事が中途半端…というより、恐らく圧倒的に予算不足だったのでしょうね。単純にデザインがダサいです。

あと、後半、ゾンビの首を切断するシーンで、切断に使う道具が小さな菜切り包丁だったのもノイズでした。

人間の首の太さに対して刃渡りが短すぎる気がしますが…斬撃で切ったのでしょうか?

 

映像がおかしい

これは欠点というより、あくまでも「気になったところ」なんですが…、この映画、暗いシーンになると強烈なブロックノイズが現れます。市販のハンディカムで撮影してるんでしょうか?

当然、大作映画はもっと大きなレンズ(=暗い場所も明確に撮影できる)のカメラを使ったり、高額な映像編集ソフトを使ったりするので、「大作映画と比べてダメ」って訳じゃないんですが…。

全体的に低予算を気にさせない工夫が全く無かったのが気になりました。どのリングに上がってるつもりだったのだろう…。

 

暴力演出もおかしい

サムネイル画像でも使った↑このシーン。全然首が絞まってるように見えません。

前述の「クネクネを見た人が首が折れて(?)死ぬシーン」もそうですが、この作品は全体的に暴力描写が全然気合い入ってません。

低予算映画って暴力描写だけは凄かったりするんですが、それも良くないと本当に良いところがないですね…。

首絞めシーンは『キルビル』を見習ってほしいです。

↑ちょっと首を前に突き出してるのかな?

 

展開もおかしい

前述したとおり、発狂死した者はゾンビとなって人を襲うため、村人は死んだ母親の死体をゾンビ化しないうちに破壊しようとします。

ここまではいいのですが、なぜか包丁でバラバラにしようとします。焼けば? とか思ってしまいます。

また、途中、母親が死んだ際に「車で電波が届く場所まで移動しようとする」場面では、車が故障したため徒歩で移動するという展開になります。

車って故障するの? とか思いますが、それは亡霊の仕業として無理矢理納得するとして、その後、行方不明の千里を捜そうともせず、実子である遙すら置き去りにして父だけが村を出ようとするのは全然意味がわかりません。

ていうか、緊急事態だと思ってるなら走ってくれ!

 

大胆な結末

本作は、全くなにも解決されないまま突然映画が終わります。

例えば『アメイジング・スパイダーマン2』という映画は、「スパイダーマンの宿敵が集まって新たなチームを結成しようとしている…!」と続編への期待を持たせたまま幕引きとなりますが、作中で起きた問題は解決されているので、「途中で終わっている」訳ではありません

しかし、本作『クネクネ』は本当に問題が何も解決されずに突然終わります。

具体的には、千里と遙が亡霊から逃げている途中、雨が降ってきます。

そこで千里が「ウソでしょ、雨?」と言って、終わりです。「雨が危険」などといった説明は作中に一切ありませんでした。

前述の「監督は普段映画とか一切観ないのだろう」という冗談が現実味を帯びてきました。本当に全く訳がわかりません。

まとめ

以上、『クネクネ』の解説でした。

…めちゃくちゃ馬鹿にしてしまいましたが、正直、めちゃくちゃ楽しめました。

私は本作を一人で観てしまったのですが、ひどすぎて笑ってしまうような内容のため、ウォッチパーティーなどを使い大勢でツッコミながら観れば冗談抜きで最高の映画だと思います!

映画って、クオリティが高ければ良いわけではないんだな…なんて色々と考えさせられた作品でした。

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