【ネタバレ】『REC/レック』シリーズ全作品完全解説

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こんにちは。当ブログの2人の運営者のうちPOOLくんじゃないほう、ホラーホストのSEBAです。

 

今回はホラーホストとしてのYouTube動画で解説した作品をブログで解説したいと思います。動画で観たい方は記事最下部に貼ってある動画をご覧ください!

 

というわけで、今回は『REC』シリーズの全作品を解説します。

【注意】この記事はネタバレを含みます。

『REC/レック』解説

『REC/レック』は2007年公開のスペイン映画。監督はジャウマ・バラゲロさんとパコ・プラサさん。

左がパコさん、右がジャウマさん。

 

あらすじ

消防士を密着取材するために、通報のあったアパートに同行するレポーターとカメラマン。

通報者の妻は未知の感染症によって凶暴化して見境なく人を襲い、凶暴化した感染者に噛まれた人間もまた凶暴化していった。

感染拡大を防ぐために建物は封鎖され、主人公とアパートの住人たちは感染者ごと隔離されてしまい…。

未知の感染症で凶暴化…ということは、ゾンビ映画なのかな?

うーん、そこは若干難しいところなんです。

まずはその点からお話しましょう。

『REC/レック』はゾンビ映画か?

『REC/レック』シリーズに登場する感染者は、作中でゾンビと呼ばれることは一度もありません。

では、ただの病気なのかというと、シリーズ中で語られるのは「ウイルスらしいけど、悪魔的な原因も絡んでるらしい」といった微妙な表現にとどめられています。

ゾンビの起源がブードゥー教に関わる概念であることは有名ですが、現代社会におけるゾンビは大衆文化圏内の複数の作品で取り扱われたゾンビらしきものの総称であるため、定義づけることができません。

Wikipediaには

ゾンビ(英語: Zombie)とは、何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称である。ホラーやファンタジー作品などに登場し、「腐った死体が歩き回る」という描写が多くなされる。現実には存在しなく架空の物語に過ぎない。

なんて記載されていますが、一度死んでから蘇っていなければゾンビではないという定義には疑問があります。

『REC/レック』シリーズの感染者について「人間として完全に死んだ後にゾンビとして蘇った」という描写は(たぶん)無かったと思いますが、「正常な頃の意識や記憶がなくなり、人を襲うだけの存在となる」「噛むと感染する」「頭を破壊しないと死なない」というゾンビらしき設定は抑えてあります。

結論としては「特殊な設定だがゾンビ/ゾンビ映画とカテゴライズできなくもない」といったところでしょうか。

 

当時は目新しかったが…

本作の主人公はテレビリポーターのアンヘラと、カメラマンのパブロ。

映像は全編パブロが撮影したテレビカメラの映像で構成され、カメラ以外の映像は一切ない

フェイクドキュメンタリー、ファウンドフッテージの作品といえば『食人族』や『パラノーマル・アクティビティ』など過去にも有名作があるため、『REC/レック』が先駆けという訳ではない。

とはいえ、タイトルをズバリ「REC」として、ここまで大々的にファウンドフッテージを押し出した作品は過去になかったのではないでしょうか。手法としては新しくなくても、印象として「新しいな」と思わせる雰囲気が本作にはありました。

作品自体もクオリティが高く、観ていて面白く感じる瞬間が何度もあり、実際にソフトリリース時に観た私も面白い映画と思いました。

…が、いま改めて観直してみると「あれ?こんな地味な映画だったっけ…?」と思ってしまう作品ではあります。

人間が高いところから落ちて地面に叩きつけられる演出や、ハビエル・ボテットが演じるモンスター最後にオカルト的な原因であることがほのめかされて終わる演出など、当時としては目新しかった要素がたくさん詰まっているのですが、現在観直してみると「あ、これは何かで観たな…」と思ってしまうような演出が続く点が残念です。

 

巧みな空間演出

本作は終始一つのアパートが舞台となります。

建物には「長い廊下」「布工場(と倉庫)」「中庭」などがあり割と複雑な構造のアパートであることが推察されますが、物語は常に「一階ロビーかそれ以外か」で進行するため、空間の複雑さは一切感じません。

これで「こっちを塞いだと思ったらあっちから侵入された!」「こんなところに抜け穴が!」などの展開があると、そもそも建物の構造がわからないので興味が薄れてしまいますが、本作は「一階ロビー」を絶対的な安全地帯と設定して、そこに感染者が入ってくることはないという脚本にすることで、複雑な空間を単純化することに成功しています。

見慣れてしまった演出は多いものの、ファウンドフッテージもの独特のリアリティと緊張感や、主役のアンヘラ(なんと本物のテレビリポーター!)の熱演など、楽しめる魅力も充分に詰まっている本作。

具体的に面白い!と感じる瞬間は少ないかもしれませんが、クオリティの高い作品である事は間違いありません。

『REC/レック』の結末

結末のネタバレをしなければ次作以降の説明ができないため、やむを得ず結末を書きますが…

終盤でアンヘラとカメラマン以外全員死亡(または感染)。

アンヘラ達がたどり着いた最上階の一室が研究室になっており、室内の資料から「一人の少女から感染が拡がったこと」「原因は悪魔的な何かであること」が判明しますが、その部屋にいた謎の怪物によってカメラマンが死亡、アンヘラは闇に引きずり込まれて生死不明のまま映画が終わります。

最後に登場する怪物はハビエル・ボテットが演じており、(失礼を承知で表現すると)人間離れした姿はさすがの一言です。

『REC/レック2』解説

『REC/レック2』は2009年公開のスペイン映画。監督は前作同様ジャウマ・バラゲロさんとパコ・プラサさん。

あらすじ

前作のエンディング直後、謎の病原菌によって汚染されて完全隔離されたアパートに警察の特殊部隊と医師が突入する。

アパートの中で感染症の正体は悪魔の呪いであることが判明するが…。

前作の反省を活かした優等生的作品

監督のジャウマ・バラゲロさんとパコ・プラサさんは本当に真面目な人なんだろうな…と思わせる一作です。

物語は前作の結末直後から始まります。前作がテレビクルーのカメラ映像だったことに対し、今作は特殊部隊の隊員達のヘルメットに付けられた複数のカメラの映像で構成されており、途中でカットが割られるので見た目のゴージャス度が上がっています。

さらに、中盤ではアパートにカメラを持った別の侵入者がいたことが判明し、その侵入者視点で物語が最初から語られ直す展開になります。この点は『ジャッキー・ブラウン』や『木更津キャッツアイ』同様、アガらざるを得ない展開で非常にワクワクします。

さらにさらに、後半では前作ラストで死んだと思われたアンヘラがサプライズ登場するなど続編である強みを存分に活かした製作がなされていて大変愉快な一作です。

面白いけど完璧ではない

言っておきますが『REC/レック2』は面白いです。ただし、気になる点もあり…

中盤、特殊部隊員のララが死ぬシーン。脱衣所に閉じ込められたララは、ゾンビに殺されることを恐れ、ハンドガンでの自殺を決意します。

個人的にはここで「死んでから噛まれたらどうなるかを見せてくれるのか!」とワクワクしたのですが、なぜか死ぬと同時にカメラが切れ、死ぬ瞬間もその後も映像はありません。

こういう悪い意味で期待を裏切られるシーンは、冷めてしまいますね…。

 

また、中盤に登場する子どものシーン。登場するくだりは非常にワクワクするのですが、物語には一切関わらず、最終的に子ども達がどうなったかすら明示されずに映画が終わります

この一連のシーンは編集でカットしなきゃいけないトラブルでもあったのかな…と思うほど不自然でした。

 

『REC/レック2』の結末

こちらも結末のネタバレをしなければ次作以降の説明ができないため、やむを得ず結末を書きますが…

特殊部隊と一緒に同行したオーウェンは保健局職員ではなくローマ教皇庁のエージェントであることが判明します。

前作で判明したとおり一人の少女から感染が始まったのですが、そのワクチンを作るためにローマ教皇庁が極秘裏に調査・研究を進めていた場所がこのアパート最上階の一室(前作ラストの部屋)だったことが序盤で判明します。その研究中の事故でアパート内に感染が拡がってしまったというわけです。

オーウェンの目的は研究者が保管していると思われる「少女の血液」を手に入れることでした。また、前作ラストの怪物がその少女であることも判明します。

終盤でアンヘラとオーウェン、特殊部隊のロッソ以外全員死亡(または感染)。目的だった血液も失われ、怪物も殺してしまったためワクチン作成の要となる血液は入手不可能となります(殺した怪物から血液を摂取すればいいのでは…?)。

また、ラストでアンヘラがロッソとオーウェンを銃殺します

このあたりの展開はかなり唐突なのですが、どうやら悪魔は特定の人間に取り憑いて意識を乗っ取ることが可能のようです。

アンヘラは感染せずに悪魔に意識を乗っ取られたまま、唯一の生存者としてアパートを脱出することが示唆されて映画は終わります。

『REC/レック3 ジェネシス』解説

『REC/レック3 ジェネシス』は2012年公開のスペイン映画。監督はパコ・プラサさん一人で、ジャウマ・バラゲロさんは製作に回っています。

あらすじ

前作までの惨劇と同時刻、とある結婚披露宴会場でも感染による惨劇が起こっていた…。

『007 スカイフォール』だ!

監督のパコ・プラサさん…お前、本当はこんな『死霊のはらわた』みたいな映画を作りたかったのか!と心底驚いた一作。

設定としては前作までと同じ世界での出来事ではあるものの、内容は完全に独立しているスピンオフ的作品。

相棒のジャウマさんが監督から離れ、パコさんが一人でのびのびと作った本作は、まさかの完全コメディホラー

しかも、ギャグシーン満載で最高に楽しいだけではなく、最後は号泣できてしまうという快作。

超面白いスピンオフという意味で、007シリーズにおける『スカイフォール』を思い出したりしました。

 

最高すぎるギャグの連続

甲冑をきてノコノコ進軍するシーンは唐突で面白かったり、スポンジジョン披露宴の見知らぬ参加者は登場シーン全て笑えたりと最高なのですが…

一番笑ったのは、絶体絶命の場面で主人公(妻のほう)が披露宴出席者であるナタリーと話すくだり

 ナタリー「私、出席しようかどうか迷ったの。ずっと疎遠だったから…」

→妻「そうね。来てくれて嬉しかったわ。ありがとう」

→ナタリー「迷ったけど、たまたま格安航空チケットが手に入ったから…招待してくれてありがとう…」

→妻「…」

→ナタリー「…」

→(とりあえず抱き合う)

ナタリー、ゾンビに喰われる

このシーンが最高すぎて何回か繰り返しみました

 

オモシロ設定が大量入荷!

本作はスピンオフでありながら『REC/レック』シリーズに新たな可能性を見いだそうとしている意欲作です。

中盤では感染者は鏡に悪魔の姿として映るという新設定を加えたうえ、館内放送に神の言葉を流すことで感染者を全員動けなくするという前作の設定を活かしたアイデアが盛り込まれており、ファンを楽しませるために考え抜かれた作品であることがわかります。

映画を観ていて「あ、これは自分のためのシーンだ!」と思えると、嬉しいですよね~。

 

『REC/レック3 ジェネシス』の結末

この作品については次作以降と繋がりがないためネタバレはしませんが、前述のとおり涙なしには観られない最高の結末が待っています。

ただし、言っておきます。超オススメです。これだけ観ても全然OKなので、是非観てください!!

あ、オチについて一つだけ言っておくと、感染問題は一切解決せず、進展もありません。本当にただのスピンオフって感じですね。

『REC/レック4 ワールドエンド』解説

『REC/レック4 ワールドエンド』は2014年公開のスペイン映画。監督はジャウマ・バラゲロさん一人だけで、パコさんはなぜか関わっていません。

あらすじ

アパートの事件ただ一人の生存者であるアンヘラは、海上に浮かぶ大型貨物船で目覚めた。

その船は悪魔のウイルスを研究する極秘施設で、研究者達はアンヘラを感染者と疑い隔離していたのだ。

身の危険を察知し、同じく軟禁されたグズマンと共に船からの脱出を試みるアンヘラであったが、船内にも感染者が現れてしまい…。

良くも悪くも『007 スペクター』

前作ではサプライズゲスト的な登場だったアンヘラが主役の今作。監督は前回と逆でジャウマさん一人。

内容は2までの設定を存分に活かした正統な続編となっており、2までを観ていない人には全く内容がわからないレベルです。

ただ…あの…その…言いにくいんですけど…

おもしろくなかったです…(きっぱり)。

『007 スカイフォール』的な面白さがあった前作から原状復帰したという意味では『007 スペクター』を思い出しましたが、作品の質的にも『スペクター』のような印象で、「スピンオフの方が良かった…」と思ってしまいました。

いろいろ雑な脚本

スピンオフだった3は別に考えると、今作からカメラ映像ではなくなります。その時点で「RECじゃないじゃん」と思ってしまう人もいると思いますが、個人的にそこは重要ではないのです。

それよりも話が納得できないことのほうが不満が大きいです。

まず、閉鎖空間モノにして物語を単純化するにしても船でワクチン開発という設定に違和感があります。船じゃ不測の事態が起きた時に対応できないと思うし、実際に不測の事態が起きて対応不能になってしまいます。

しかも明らかに研究人員が少なすぎ。1でたった一人に、しかもアパートで研究させていた教皇庁もどうかと思いますが、何も学んでいない今作でその違和感はより際立ちました。

あと、教皇庁はアンヘラ以外の人も多数誘拐しているのですが、その理由は「もう失敗できないから」って…じゃあなんで教皇庁側の人間達と同じ空間で生活させてるの

感染の疑いがある者は人類のために殺してもいいと思ってるなら船内で監禁しておくなり麻酔で眠らせるなりすればいいのに、なぜか船内を自由に歩かせてます。しかも(ネタバレになりますが)、結局それが原因で最終的に研究は頓挫しています。なにがしたいの?

特にアンヘラの扱いが謎です。一番疑わしい人物なら麻酔で眠らせてる内にさっさと手術でもなんでもしてしまえばいいのに、なぜか弱めの麻酔を打って船内で目覚めるようにして、目覚めた後は普通に船内で生活させています。

作中では「陰性だったからOK」と説明がありますが、じゃあなぜ誘拐したの?陰性でもなんでもワクチンが完成するまでベッドに縛り付けておけばいいし、「誘拐した人たちは全員陰性だったからワクチンは完成しない」と判断したならさっさと帰港しろよと思います。

カメラ映像から脱却した(だけ)

今作は、シリーズの目玉であった全編カメラ映像「という手法から脱した」ことが言わば目玉となっています。

…が、そこには特に意味がないことも気になります。

終盤に「アンヘラが監視カメラを壊しながら逃げる」というシーンがあるのですが、象徴的なシーンに見せかけて特別な意味はなかったりします

例えば「カメラを壊す(=シリーズ全体を否定する)ことで感染問題が解決に向かう」といった展開なら超アツいのですが、別にそんなこともないし…。

オカルト要素どこ?

一番の問題点として、実はシリーズを面白くしていた要素であるオカルトが今作では排除されています。

設定としては悪魔とか出てくるのですが、作中で重要視されるのは「ワクチンを完成できるかどうか」であり、3で面白すぎる発明だった「神の言葉でゾンビを拘束」もなければ「謎の芋虫」の正体も判明しません。

個人的に「REC」シリーズはオカルトと科学が渾然一体となった感覚が絶妙で面白かったので、科学に振り切ってしまった今作は観ていて退屈でした。

 

『REC/レック』は永遠に不滅です!(悪い意味で)

今作は現時点でのシリーズ最終作ではありますが、物語的には完結した感じは一切なく、普通に続きそうな感じで終わります。

最後、実は悪魔はアンヘラからグズマンに移っていたことが判明しますが、ワクチン作成は失敗。船ごとグズマンを沈めて、アンヘラは救命ボートで船から脱出することに成功します。ただし、海中では悪魔の正体である謎の芋虫が生きており、その芋虫が魚に食べられて映画は終わります。なにそれ?

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『REC:レック/ザ・クアランティン』解説

『REC:レック/ザ・クアランティン』は2008年(1と2の間)に公開されたアメリカ映画。監督はジョン・エリック・ドゥードルさん。

あらすじは1作目と全く同じで、完全なリメイク作品となっています。

『ファニーゲーム U.S.A.』かな?

ミヒャエル・ハネケ監督の『ファニーゲーム U.S.A.』という作品は、同監督によるオリジナル版から10年後にハリウッドリメイクとして制作された映画で、ストーリーどころか台詞や画面構成まで全く同じというある意味狂気的な作品でした。

『REC:レック/ザ・クアランティン』も同様にオリジナル版第一作目と全く同じ内容なのですが、『ファニーゲーム』と違いこちらはオリジナル版の公開から1年しか経っていません。そのこともあってか、製作費1200万ドルに対して興行収入は3100万ドルというかなり渋い収益ではありました。

まあ、中身を変えたら「こんなの『REC/レック』じゃない!」という声が上がってしまうので仕方ないのかもしれませんが…。オリジナル版のファンからすると驚きはない内容ではありました。

 

座組はいいのに…

監督のジョン・エリック・ドゥードルさんは後に『デビル』という傑作を撮ることになる方です。

この方の長編デビュー作である『Poughkeepsie Tapes』は、スナッフフィルム映像から始まり、その製作者を追う警察を描くモキュメンタリー作品となっています。そのため、同じくモキュメンタリーの構造を持つ『REC/レック』のリメイク版の監督に抜擢された訳ですね。

また、主演は『デンジャラス・プリズン -牢獄の処刑人-』『ブルータル・ジャスティス』で素晴らしい演技を見せたジェニファー・カーペンターさん。

ジョン・エリック・ドゥードル監督でジェニファー・カーペンター主演と聞くと傑作の予感が漂いますが…

前述のとおり今作はオリジナル版と内容が全く同じで、新たなアイデア等は見受けられません。演出等にも印象的な点はみられません。むしろ、序盤に登場する昔の消防士が使っていたフック梯子意味深に登場した割に何の伏線でもないなど、ネガティブな印象のあるシーンが多々あります。

主演のジェニファー・カーペンターさんはどうなのかというと、弱そうにも強そうにも見える独特の佇まいは相変わらず最高で作品と合ってるし、演技も非常に上手くて文句は無いのですが、なんというか…印象的な変わった演技がないので、まあ、彼女の数々の仕事のうちの一つかな…という感じです。

監督の手腕は特に感じられず、主演の魅力も存分に活かされていない…チームとしては抜群なのに惜しかった作品だと思います。

リメイクだから製作に制限があったのかな? なんて勘ぐったり…。

 

あ、そういえば一つだけ良かった点がありました。

中盤、感染者に追い込まれた生存者が、とある衝撃的なモノで感染者を撲殺するシーン。

ここはPOVならではの超クールな演出となっており、後に傑作『デビル』を撮ることになるジョン・エリック・ドゥードル監督の才能の断片が垣間見られた気がしました。

 

『REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇』解説

『REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇』は2011年公開のアメリカ映画。監督はジョン・ポーグさん。監督デビュー作です。

あらすじ

 

客室乗務員のポーラとジェニーは、十数名の乗客をのせたロサンゼルス発の小型旅客機内で接客業務に追われていた。

そんななか、機内でネズミに指を噛まれた乗客の大男が激しく嘔吐したと思うと、突如コックピットに突進し「開けろ!」と扉を殴打する暴挙に出る。
荒れ狂う男をなんとか取り押さえることに成功するが、正体不明のウイルス感染に危機を感じた機長は、空港へ引き返し緊急着陸を決行。
ところが、ターミナルはすでに防護服に身を包んだCDC(疾病予防管理センター)と警察部隊に包囲されていて…。

 

関係なくなっちゃった!(ハライチ澤部)

前述のあらすじで解るとおり、本作はオリジナルシリーズのリメイクではありません。

かといって前作からの直接も繋がりもない(前作と同時刻という設定)ので、独立した一本の映画として観ることができます。

『REC/レック4 ワールドエンド』がシリーズとの整合性が取れておらず納得度の低い作品となっていたことを考えると、本作『REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇』はリメイクシリーズでありながらオリジナル版から距離を置くという思い切った姿勢は評価に値します。

...が、疑問なのはリメイク版である前作『REC:レック/ザ・クアランティン』からも離れてしまっていて、物語どころか設定すら引き継がれていません

具体的に述べると、前作までの感染者は感染しているかどうかは一目でわかる状態でしたが、今作には非感染者のように喋っていたと思ったら突然牙を剥いて襲いかかってくるという描写があります。

また、あらすじにも記載した感染者がコックピットの扉を叩きながら「開けろ!」というシーン、感染者は人を襲うのではなく単純に性格が凶暴化してるだけのように見えます(数分後に人を襲う状態にはなります)。

以上から、今作の感染者はオリジナル版/リメイク版のどの作品とも異なるものです。

さらに、シリーズ中でひっそりと存在感を放っていたオカルト要素は一切排除。悪魔がどうとかの下りは一切なく、感染問題が解決に向かうこともありません。

単体の作品として観ても…

シリーズとの関わりがなくても、映画なんて面白ければなんでも良いのです。

…が、本作は単体の作品として観ても全然面白くないです

ゾンビ映画として新鮮な設定もなければ、印象的な演出もなし。有名キャストもいなければ、監督は無名の脚本家の第一作目。物語もツイストがなく、申し訳程度のドンデン返しは薄味。

本当にどういう勝算があって作られた映画なのかサッパリわかりません

上映時間は86分なのにきっちり2時間くらい観ていたように感じるほど退屈な映画でした。オチもつまんなかった…。

まとめ

以上、『REC/レック』シリーズ全6作の解説でした。

作品によって当たり外れはありますが、本当に面白い映画だけ観たいという人には1~3がオススメです。

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